西行桜

谷敦志作品 「西行桜」

西行桜

恋人に、裏切られ殺された桜御前という姫の屍体は
桜の木の下に埋められ、やがて悪霊となって、通り
かかった人々の魂を奪い殺していた。
ある日、西行法師が通りかかり、桜御前と対峙、三
日三晩の戦いの末、和歌を詠んで、桜御前の魂を鎮
め封印した。

「吉野山、こずゑの花を見し日より、
心は身にも、添はずなりにき」

悪霊はこれで封印されたが、年に一度地のような花
を満開にさせる日に蘇り、生人の魂を奪うという・・・

「ねがわくは、花のしたにて
春死なん、そのきさらぎの望月の頃」

西行

いにしえより、桜は日本人の心を強くつかんで、離
さない存在でした。その美しさはかなさだけでなく、
妖艶な、恐ろしささえ内に秘めて、なおかつ私たち
の美意識を揺り動かして止まない春の風物詩、桜・・・